Special
きっとホストをしているレンのことだから、来ている服も指輪も靴も、全部高価なものの筈。
それでも構わずに子犬を抱き、胸で温めてあげてるその姿は、レンの人間性を間違いなく表わしている。
そう確信した。
「捨てられたの…?」
「…だろうな」
「そんな…まだこんなに小さいのに…」
「小さくったって関係ねぇんだろ、そういうことをする人間は」
なんだか棘のある言い方…
そんなことを考えてる間にもレンの腕の中の子犬はキュ~ンと鳴いていた。
「どうしよう・・・」
私は小さく呟いた。
家は賃貸アパートだからペットは無理。茜は確か実家だけどマンションだって言ってたし・・・
少ない人脈を必死に頭の中で色々思い出して考えてみるけどやっぱり適任者が思い当たらない。
人脈・・・・
レンだったら、たくさん知り合いが…そういうのを頼めそうなお客さんがいるんじゃないのかな。
そう考えて口に出そうか迷っていた時、レンが先に口を開いた。