Special
「そうじゃなくて!私も…私も協力するから、新しい飼い主捜そう?」
私が迷いなく間髪いれずにそんな返事をしたからかレンはどうやら拍子抜けしてしまったようだった。
さっきの冷たい瞳と口調はなくなって、元の物静かな穏やかなレンに戻って言った。
「いや、俺だけでいい」
「じゃあ夜はどうするの?」
「え・・・」
「まだその子小さいし・・丁度いいじゃない!昼間レンが家にいるのなら、夕方からは私がその子、みてればいいんだから!」
私の急な提案に目を丸くしてレンは顔を上げた。
「ねっ!それに家を行き来してたほうがお互いの大家さんにも飼ってるってバレづらそうだし」
私の意見に納得したのか、渋々ながらレンはそれを承諾して溜め息をついた。
「良かったね!チビちゃん!!」
そうと決まると私はレンに抱かれたままの子犬に笑顔を向けて話しかけた。