Special
「じゃ、どうしようか」
私の家とレンの家の分岐点で話し合う。
今日はあと数時間でレンは出勤するらしい。
帰宅は深夜2時を回るっていうから…
「今日はこのまま私のとこに連れていく」
「…そうしてもらえるなら助かる」
「レン、朝辛いかもしれないけど8時頃に引き渡せたら・・・助かるな」
「勿論」
そう言ってレンは私のアパートまで荷物を運んでくれた。
「…ふふっ。ちゃんと飲んでる」
部屋に上がると私は早速ミルクを飲ませてみた。
その時レンは、落ち着かなさそうにワンルームの私の部屋にあがって隅の方から立って子犬の様子を見ていた。
「…よかったな」
そしてギシッと歩み寄ってきて子犬を覗きこみ、ツンっと頭をつつくとレンが微笑んでそう言っていた。
「じゃ、俺行く」
「あ、ちょっと待って!」
丁度ミルクを飲み終えたその子犬をそっと寝かして私はレンに紙とペンを渡した。
「住所!教えておいて・・・?」
「・・・・・」
「あっ!大丈夫だよ!ストーカーとかしないからっ!!」
それを本気で言っている私を見てレンは「わかってる」と言って笑ってた。