Special


ピンポーン


「はい?」


私は恐る恐るドアを開けた。

だって時間はまだ夜の7時。
この訪問者がレンじゃないことは間違いない。

加えて実家から離れて一人暮らししている私にはこんな時間に約束もなく訪問してくる人物が思い浮かばないから。


もしかして―――早速犬がいることが、ばれたんじゃないか。


そう思った。


どう誤魔化そう。
考えがまとまらないままゆっくりとドアを押すと、その隙間から低い声でわざと顔をひょこっと出したのは…


「今日の話聞かせてもらうよー」
「茜!!」


茜の手には私の鞄。

そうだった。今日はそのまま帰ってきたから・・・鞄を届けに来てくれたんだ。



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