Special
私はその袋を受け取って中を確認して見る。
袋の中にはおにぎりやサンドイッチや飲み物とかなんか色々入ってた。
「えっこれ…なんで?」
「…なんとなく」
それだけ答えてあとは無言のまま。
ずっと玄関で立って待っているレンに私は今頃慌てて声を掛ける。
「あ、上がったら…?」
「いやいい。すぐに行くから。そいつ、ちょうだい」
そう言ってハウスに入れたチビを渡すとレンは、じゃあ。とだけ言って本当にすぐ帰って行った。
さっきまでレンがそこにいた。
レンの僅かな残り香を鼻から感じて暫くぼんやりと玄関を見つめていた。
「やば…遅刻する!」
ふと我に返って時計を見ると、いつもより10分押していて、私は慌てて家を出た。