Special
レンは、どうしてここにいるんだろう。
無言で食べ進めるレンをちらりと見てなんだか寂しい気持ちになった。
「ごちそうさま」
「あ、いえ・・・」
「…久々に食べたな」
「え?」
「手料理ってやつ」
そういうとレンはスーツの上着を羽織ってその場に立った。
「もう出よう」
「あ…うん」
そして私はレンと一緒にマンションを出た。
もう少し、貴方のことが知りたい。
背中を見てそう心で呟くと、聞こえたかのようなタイミングで振り返ったレンは私に言った。
「なるべく早めに飼い主探すから」
レンとはその後何も話さず、ただチビを手にして途中まで一緒に歩いていた。