Special


私はそんなどんよりした気分のまま駅についてレンの家へと歩いていた。



カツン



レンの家は駅から近い。



コツッ



まだ見慣れないレンのマンションの前に立って上を見上げると深呼吸をして階段に一歩足を掛けた。
そして何気無くレンの名を口にする。


「レンーー…」
「ちょっとアンタ」


自動ドアにもまだ届かない距離で私は誰かに腕を掴まれた。


「・・・・???!」


あまりに驚いて声が出なかった。

私が反射的に振り向くと、そこに居るのは見覚えのない男の人…


見た目はスーツ。
だけどどこかサラリーマンとは違っていて。

だってフツ―のサラリーマンならこんな茶髪の髪してないし、髪だって耳が隠れる長さのパーマって…ありえない。




< 59 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop