Special
なに?なんなの?
ていうかエレベーター乗っちゃってるし…手!まだ離してもらえないし!!
ポーンと音が鳴って降りて着いた先はやっぱりレンの玄関前。
ピンポーン
「はい」
玄関から顔を出すレンは私の見たことない笑顔でその男を出迎えた。
例えるなら、あの子犬に見せた時と同じ笑顔で―――
「あ、あの…?」
ひとりだけ完全についていけてない私。
「あれ、どうして一緒なんですか」
レンが私に気が付いてその男に聞いた。
「ちょっとそこで会ってな。レンの客なんだろ?」
「いや…」
「まさかレンが色恋するようになってたとは知らなかったな」
「イロコイ…?」
やっぱり私一人置いてけぼりで、その男の人とレンは私に構わずに会話を続けていた。
その会話で聞いたことのない言葉を耳にして私は男の人の後ろで首を傾げた。