Special

そうしてそれから私はチビを連れて、レンから預かったキーで鍵を掛けてマンションを出た。

数十メートル歩いた所で目の前にまたスーツの男の人が脇に立っているのに気付いた。


なんなのもう。
この辺はこういう人ばっかりなのかな・・・


私は気にも留めず、避ける様にして過ぎ去ろうとした。

が――
そのスーツの男が急に体で私の進行方向を遮った。


「なっ??!」
「・・・アンタ、レンの彼女?」


足止めをされただけでも驚いたのに、その男は“レン”という名前を口にして更に驚いて顔を上げた。
ニヤッと笑ってる目の前の男を見て私はこの人を見たことがある、と思った。


「“№1レンの指名客”由麻チャンでしょ?」
「なっんでっ…」
「オレらホストは人の顔覚えてナンボだし」


この人…

あのホストクラブの看板でも見た…


№2の人だ!



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