Special
マサキと電話を切ってからずっと呆然と座り込んでいた。
それはレンがくる時間までずっと。
チビが近くに来るとそれをただ優しく撫でてミルクをあげるだけ。
時計をふと見てみると朝7時半を回ってた。
きっとそろそろ家にレンが来る筈。
私は学校の準備もまだなのにどうしても立つことが出来ずにいた。
ピンポーン
予想通りにレンは家に来た。
その時にようやく私は立つことが出来てドアを開けた。
「よぉ…」
「あ…お疲れ様…」
パタンと閉まる家の玄関にレンが立っていた。
いつもならそれこそ子犬のようにレンを迎え入れる自分だけど。
だけど今日はそんな様子も見せることが出来ずにきっと元気がない声と、寂しい笑顔しかレンに向けられなかった。
「チビ…レンがきてくれたよ」
そういってチビを運ぶ準備を始めた。