Special
「ねぇ茜。ホストクラブって行ったことある・・・?」
「は?!何、急に。由麻そんなんに興味あんの?」
「や、さっきそういう店たくさんあったから・・・」
「私はないけどぉ…従姉妹の姉ちゃんはたまに行くみたい」
「え?!ほんと?いくらくらいかかるのかな?!」
「由麻……行きたいんでしょ」
私はカラオケにきて30分歌わずにそんな話ばかりしていたから茜にそう言われるともう誤魔化しようもなかった。
自宅に帰ってからも今日の出来事が忘れられない。
正直言うと、一目惚れ―――
それがこんな形で終わろうとしてるなんて。
だってホストって…
ホストって、要は女の人相手に良い顔してお金たくさんもらってるチャラい部類の人種だよね?
あの綺麗な顔で、笑顔向けられて、甘い言葉囁かれて、頻繁に連絡があったとしても、それは全部営業向けってことだよね?
こんな恋、絶対うまくいく筈がない。