Special
少し考えた様に手を顎に充ててマサキが続ける。
「ふーん。でもそれは嘘だな」
「は?!」
つい声を荒げてしまうと、丁度近くの席に着いたレンに気付かれてしまった。
私がレンと目が合うと、レンは営業スマイルを一瞬忘れたかのように真顔になって、数秒こちらの方に視線を向けていた。
私は慌てて目を逸らして声のトーンを落としてマサキとの話を続けた。
「嘘でもなんでもいいけど!だから、あなたは何がしたいの?!」
マサキはグラスを置いて静かに言った。
「―――レンを痛めつけること」
「痛め…つける…?」
私は顔を歪ませた。
だってさっきからこの人何を言ってるのかわからない。
「そう。アイツ、何しても全然堪えないからさ」
「なんで、そんなこと…」
「なんで?うーん…なんでかな。なんか、癇に障るっつーか」
「あ…たま、おかしいんじゃない…?」
さらりと笑いながらそんなことをいうマサキに恐怖感が出てきてマサキから少し距離を取った。
「だって、トップで、堂本さんにも目ェ掛けてもらって?目障りだし」
――――目が、笑ってない。