Special

「で、でも！私なんて全然利用価値なんてないんだから。残念だけど！」


強がりじゃなくて、心からそう思っているから自信を持ってそう言った。


「・・・言ってろ」


クッと笑ってマサキが焼酎を一気飲みした。

私の分の焼酎もグラスに作ってくれていたのをマサキに差し出されて、顔を上げて見るとマサキの目が“飲め”って脅しているように思えて私は弱みも握られてる立場からそれを避けられずにゆっくりとグラスに手を伸ばした。


―――もうわかんない。どうしていいのか。
どうしたらわかってくれるのか。

私なんてレンとなんの繋がりもないんだって―――


私がそのグラスに手が触れそうになった時に、スッと誰かの手がそれを奪うように取り上げた。


「―――レン」


顔を上げるとレンがいた。


「レン。このコは今日オレを指名したんだぞ？」
「…テーブル移動する途中だ。マサキ、コイツはまだ未成年だぞ」
「へーそう。それは失礼しました。由麻チャン。じゃ、ジュースだね」


白々しい嘘と接客スマイル。
私は我慢できなくなってスッと立ち上がるとマサキもレンもその場に置いて会計の方へと歩いて行った。