Special
*
「おう、由麻。乗れ」
「は、はい…」
ピカピカに磨かれた黒い高そうな車。
それに乗った私は怖いもの知らず、というのかな。
普通だったら怖くてこんな簡単に乗ったりできないし、ホストクラブ経営者だなんて会おうとも思わないよ。
でも、それが出来るのは初めて堂本さんに会った時、堂本さんを見るレンの目がとても優しかったから。
だから、この人は信用できる人。
そう確信した。
「悪ィなーこんなとこで」
「あ・・いえ、お忙しいでしょうから」
車を人気のない道路の脇に止めて後部座席で私達は言葉を交わす。
「―――で?なんかあったか?おれに連絡するってことは相当だろ?」
「・・・あの、実は―――」
私はマサキのことは伏せたまま、チビがいなくなってからレンに別れを告げられて、二度と来るなと言われたことを話した。
「それで…あの、会いにいけないので、堂本さんにこんなことお願いするのは申し訳ないんですけど…これを…渡して欲しいんです」
鞄から出したものはレンのマンションの合い鍵と、包装されたままのハンカチ。そして前にチビの為のものを購入したときのお金。
「おう、由麻。乗れ」
「は、はい…」
ピカピカに磨かれた黒い高そうな車。
それに乗った私は怖いもの知らず、というのかな。
普通だったら怖くてこんな簡単に乗ったりできないし、ホストクラブ経営者だなんて会おうとも思わないよ。
でも、それが出来るのは初めて堂本さんに会った時、堂本さんを見るレンの目がとても優しかったから。
だから、この人は信用できる人。
そう確信した。
「悪ィなーこんなとこで」
「あ・・いえ、お忙しいでしょうから」
車を人気のない道路の脇に止めて後部座席で私達は言葉を交わす。
「―――で?なんかあったか?おれに連絡するってことは相当だろ?」
「・・・あの、実は―――」
私はマサキのことは伏せたまま、チビがいなくなってからレンに別れを告げられて、二度と来るなと言われたことを話した。
「それで…あの、会いにいけないので、堂本さんにこんなことお願いするのは申し訳ないんですけど…これを…渡して欲しいんです」
鞄から出したものはレンのマンションの合い鍵と、包装されたままのハンカチ。そして前にチビの為のものを購入したときのお金。