Special


「こんなに渡すものがあるなら、もう一度位直接会いに行ってもいいんじゃねぇか?」


サングラス越しに私を見て堂本さんはそう言った。
だけど私は小さく首を横に振るだけでそれ以上何も言わなかった。


「由麻はこの前おれに言ったこと、変わってないか?」
「え・・・・?」
「お前のレンに対する気持ちってやつ」


その質問には迷いなく首を縦に振れる。


「…ちょっとそこらで飲みモン買ってこいよ」


そんな私を見て、堂本さんは運転手の人ににそう声を掛けて外へ出して車内に私と堂本さんだけの空間を作った。

二人きりになったことで、何かある。と私は悟った。
じっと堂本さんの顔を見て、それを待った。


「由麻はレンの何を知ってる?」
「え?私なんか…特に何も。レンはここが地元じゃないこと。14でこの世界に入ったこと…女の人を信用してないってこと……くらいしか」


堂本さんはサングラスを外して目を細めると改めて私を見た。


「・・・へぇ。成程ね」
「?」
「由麻。教えてやるよ、おれがレンと出逢った時のこと」



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