その想いが届くまで-先生-
入学式
『…すみませんでした』
そう私は謝ると、掲示板の人混みの中から出た。
速まる自分の鼓動を抑えながらも、葵を連れて急いで教室に向かう。
「どうしたん?そんな急いで。各教室集合まで、まだ時間あるよ?」
「えっ。あ、うん…。ほら、まずお友達探しやらなきゃさ」
「焦らんでええんよ?ゆっくり見つけよ」
「あ、うん…」
教室に入ると、もう半分くらいの生徒がいた。
チャイムがなるまで、葵とたくさんの女子に話しかけて、友達になった。
早速、メアドを交換したり、…恋バナも始まったりした。
でも、まだ掲示板の前で会ったあの男の人の事が、頭の中にモワモワと残っていた。
何となく、すごい印象に残った…。