その想いが届くまで-先生-
チャイムが鳴ると、ガララっと教室のドアが開き、担任らしき先生が入ってきた。


運悪く、いかにも中年男性で熱血系のゴツい先生だった。




その途端、葵のあの言葉が頭を横切る。




『でも、間違ってオヤジ教師の目ひいちゃイカンで?』




これこそ、オヤジ教師って言うのかもしれない。



気をつけよう…。






先生の自己紹介と、出席確認が終わると、ちょうど入学式の時間になった。


一斉にクラスの皆が廊下に並び、ザワザワしながら体育館へと向かった。




入場し、各席に座ると、職員席にさっき会った男の人が、入学式のプログラムを見ながら座っていた。



…あ…あの人…。


ここの先生だったんだ…。



またドキドキ…と小さい鼓動がなる。



私が先生に見惚れていると、イキナリ先生と目が会った。



ビックリした私は、さりげなく頭を下げた。



すると、先生もニコっと優しく微笑み、軽くおじぎをしてくれた。



いっきに、顔が熱くなる。







私はこの時、分かった。


先生に初恋をした。



私の初恋の相手は…先生だったんだ。

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