その想いが届くまで-先生-
未定
4月に素敵な入学式を迎え、高校生活に慣れた今日この頃、5月中旬。
今だに、葵にも先生に恋したことを明かしてない。
そんなもんだから、今日もこの話題。
「ユキ、はよー。良い人みっけた?」
朝、葵が私の家まで迎えに来てくれた。
住宅街を歩いていると、葵が私に問いかける。
「えっ…。あ、ううん、まだだよ?あ、葵はどうなの?」
そう言って、私は質問を葵に送り返す。
「あたし?あたしは、先週彼氏出来たで?」
えぇっ!先週?!
早くない?!
「もう出来たの?!何でぇ早く言ってくれなかったのー」
口を尖がらせながら、葵の右袖を摑む。
「ごめんな。だってな、ユキに一秒でも早く彼氏出来て欲しかったから。そしたら、あたしも居たんや!みたいな、なりたかってん…」
葵……。
ありがとう、葵。
「私、頑張る!そしたら、葵と葵の彼氏と、私と私の彼氏で、Wデートする!」
「ハハッ、そうしよな!」