わたし、すきなひとができました。
「くーっ、疲れたー!」
「集会の後って超お尻痛くない?」
「わかるー!」
「でもさ、先生の話でめっちゃ危機感持ったよね」
「うん。もっとしっかり勉強しなきゃって思った」
「うちらも何だかんだで高2だしね」
「去年みたいに部活ばっかってわけにもいかないよねー」
はるごんと雛子は集会での先生の話をちゃんと聞いてたみたいで、2人してもっと頑張らなきゃって言ってた。
2人とも十分しっかりしてるし、勉強だって去年からちゃんとやってたのに…。
わたし、このままで大丈夫なのかな。
「「心?どーしたの?」」
「へ?あ、ごめん、ボーっとしてたぁ!」
ハッと気がつくと、わたしは立ち止まってしまっていた。
先に進む2人の後ろで。
…わたしこそ、もっと頑張らなきゃなのに。
「熟睡だったね、野口さん」
「うぇっ!?み、見られてた…??」
「うん、ばっちり」
「うぁーまじですかー」
教室に戻るとイタズラっぽい笑顔の原田くんにそう言われた。
原田くんの前の席の雛子は呆れたように笑って、また寝たんかーって言った。
「また?野口さんってよく寝るの?」
「うん、常時爆睡」
「ちょっ、雛子!それはいくらなんでも盛りすぎ!」
「でも寝ちゃうのわかるよ、俺もすぐ寝ちゃう」
「わー、仲間仲間♪」
「原田くん、心をあんま甘やかしちゃいけないよ!」
「でも俺もすぐ寝ちゃうからさ」
「わたしも寝るつもりはないもん、いっつも!」
「あ、それ超わかる!気づいたら寝てたってやつ」
「それそれ!」