わたし、すきなひとができました。



「くーっ、疲れたー!」

「集会の後って超お尻痛くない?」

「わかるー!」

「でもさ、先生の話でめっちゃ危機感持ったよね」

「うん。もっとしっかり勉強しなきゃって思った」

「うちらも何だかんだで高2だしね」

「去年みたいに部活ばっかってわけにもいかないよねー」


はるごんと雛子は集会での先生の話をちゃんと聞いてたみたいで、2人してもっと頑張らなきゃって言ってた。


2人とも十分しっかりしてるし、勉強だって去年からちゃんとやってたのに…。

わたし、このままで大丈夫なのかな。


「「心?どーしたの?」」

「へ?あ、ごめん、ボーっとしてたぁ!」


ハッと気がつくと、わたしは立ち止まってしまっていた。

先に進む2人の後ろで。

…わたしこそ、もっと頑張らなきゃなのに。


「熟睡だったね、野口さん」

「うぇっ!?み、見られてた…??」

「うん、ばっちり」

「うぁーまじですかー」


教室に戻るとイタズラっぽい笑顔の原田くんにそう言われた。

原田くんの前の席の雛子は呆れたように笑って、また寝たんかーって言った。


「また?野口さんってよく寝るの?」

「うん、常時爆睡」

「ちょっ、雛子!それはいくらなんでも盛りすぎ!」

「でも寝ちゃうのわかるよ、俺もすぐ寝ちゃう」

「わー、仲間仲間♪」

「原田くん、心をあんま甘やかしちゃいけないよ!」

「でも俺もすぐ寝ちゃうからさ」

「わたしも寝るつもりはないもん、いっつも!」

「あ、それ超わかる!気づいたら寝てたってやつ」

「それそれ!」


< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop