after

アイドル

憧れ

『人気急上昇中〝ＡＦＴＥＲ〟！
高校生アイドルグループで―――』

「きゃああああ！」

携帯持ち込み禁止の学校で
堂々とワンセグを見ながら叫ぶ
エリカ。
このクラスの中心的存在。
少女マンガによくある
お金持ちでこの学校の理事長の娘で
ぴったりな称号。


「…ったく、うっさいっつの」

「優華、駄目だよそういう言い方。
……もっと厭味ったらしく
言わなきゃー」

私の友達は
前者の優華に後者の紗恵。
優華は何でもズバズバ物を言う
ガサツ女子。
紗恵は温かく優しそう
だけど実際はすごく黒い乙女。

私を含め3人の仲良しグループ。

私は聖女子高等学院に通う
桐嶋唯衣。
極々普通の女子です。

「けど、唯衣もそう思うだろ」

「…うん」

うぅ、眠い。

5時限目、古典。

子守唄みたいな授業が終わり
只今休憩タイム。

睡魔に負けずに頑張っているのは
私だけ。

昨日、22時から見たい番組があり
それがたまたま3時間SPだった
というだけのこと。

今休憩だしちょっとだけ…。

そう思いながら机にうつ伏せになり
私は眠りに落ちた。