わたしの彼氏は芸能人。
私は先にパーキングエリアに着き、車の横でしゃがんで優真くんを待っていた。
…軽く泣きべそを、
でも優真くんにはこんな顔は見せられない。
「ごめん」
と、息を切らして私の元へ駆け寄って来てくれた。
「結菜ごめん」
『大丈夫!』
優真くんは私の肩に手を回し、引き寄せた。
そして、寂しさを紛らわしてくれるかのようにキスをして来た。
「車入る?」
『うん』
車に入ると優真くんは改めて謝ってきた。
でも、これは仕方ない事。
わかっていても…少し寂しさが残る。
こんなふうに声をかけられ、サインや握手を求められる事は優真くんが世間に受け入れられている証拠。