戸惑いの姫君と貴公子は、オフィスがお好き?―特別編―
「これはいつ届いたのですか」
「黙秘いたします」
「それでは埒が明きませんよ?」
「だったら、胸に手を当ててっ、ひとりで反省してて下さい!」
そう言った彼女のアーモンド型の目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「怜葉」と、手を伸ばそうとすれば顔を逸らされた。
宙で空しく舞った手を再び伸べたものの、子供を抱えたまま身を縮めて拒否される。
彼女いわくロボット男らしい俺でも、これには流石に傷ついた。