はなかざり
1 ずっと傍に
ずっと傍にいることが、当たり前だった。
俺の右側。
それが、アイツの場所。
アイツの左側。
それが、俺の場所。
「亮介っ待ってよ!」
「おっせーんだよ」
いつもの風景。
遅れる絵里に、玄関の前で待つ俺。
「女の子はいろいろあるの!」
「寝グセ直したり、ヨダレのアトとか洗ったり?」
「るっさい!!」
絵里のカバンが、俺に向かって勢い良く振り落とされる。
いい音をたてて俺の右肩に当たった。
「いってえ」
俺は笑いながら大袈裟に肩をさすった。
絵里はそれに満足そうに微笑む。
それと同時に、靴を履き終えた絵里が立ち上がる。
「行こっ亮介。お母さんいってきまぁす」
「いってきまーす」
「はーい、いってらしゃーい」
キッチンから聞こえる母さんの声。
俺がドアを閉める。
今日もいい天気だ。
眩し過ぎる程の日差しが心地いい。
「亮介、今日晩ご飯の当番だからね」
「あ。忘れてた」
うちは、両親が共働きだ。
帰りが遅いことも珍しくない。
だから、俺達2人で食事を分担している。
「あたし洋食がいいなー」
「了解」
俺より頭一個分程小さい絵里。
俺達は周りから、結構「似てない」と言われる。
俺の右側。
それが、アイツの場所。
アイツの左側。
それが、俺の場所。
「亮介っ待ってよ!」
「おっせーんだよ」
いつもの風景。
遅れる絵里に、玄関の前で待つ俺。
「女の子はいろいろあるの!」
「寝グセ直したり、ヨダレのアトとか洗ったり?」
「るっさい!!」
絵里のカバンが、俺に向かって勢い良く振り落とされる。
いい音をたてて俺の右肩に当たった。
「いってえ」
俺は笑いながら大袈裟に肩をさすった。
絵里はそれに満足そうに微笑む。
それと同時に、靴を履き終えた絵里が立ち上がる。
「行こっ亮介。お母さんいってきまぁす」
「いってきまーす」
「はーい、いってらしゃーい」
キッチンから聞こえる母さんの声。
俺がドアを閉める。
今日もいい天気だ。
眩し過ぎる程の日差しが心地いい。
「亮介、今日晩ご飯の当番だからね」
「あ。忘れてた」
うちは、両親が共働きだ。
帰りが遅いことも珍しくない。
だから、俺達2人で食事を分担している。
「あたし洋食がいいなー」
「了解」
俺より頭一個分程小さい絵里。
俺達は周りから、結構「似てない」と言われる。