はなかざり
・・・まぁそれは当然なんだけど。

「よぅ亮介」
「おー賢二」

長年の友達、賢二が登場。
俺の肩に腕をまわし、甘えるようにもたれかかって来る。

「おはよー絵里ちゃん」

賢二がヘラヘラと笑いながら声を掛けた。
絵里は「絵里ちゃん」発言にカチンと来たみたいだ。

「“ちゃん”付けしないでって何回も言ってんでしょ!」
「いいじゃーん、中学からの仲なんだしー」

賢二は、怒鳴る絵里に俺を挟んで答える。
それすらも絵里は気に入らなかったらしい。

「ちょっとー!亮介から離れなさいよぉー!」
「なぁんでー」
「あたしの亮介なんだからっ」
「俺の亮介だもーん」
「あたしのよ!」
「俺の癒しだー」

賢二が俺の肩にまわした腕を引っ張り。
絵里が俺の腕を引っ張る。

・・・本人を無視して俺を取り合わないでくれるか?

そう言おうとした瞬間。

「亮介君は皆のものよ!」
「そーよ!」

・・・更に厄介なのが来た。

「あっアンタ達!」
「城崎亮介親衛隊よっ」

5人組の女子が、戦隊物の決めポーズのように、腰に手をあてて仁王立ちしている。
その名の通り、俺の親衛隊。

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