はなかざり
・・・ここに俺の味方はいないらしい。

「さあ亮介!アンタは一体誰のものなのか、言ってごらんなさい!!」

え、絵里、鼻息が荒いから・・・。
興奮し過ぎ・・・。

「ぇ、えと・・・」

この場にいる全員が俺に注目する。
居心地が悪過ぎる。
しかも徐々に近付いて来る。
こ、怖い。

「うーんとですねえ・・・」

ここは正直に答えていいんだろうか・・・。
でもいろいろ怒りを買うかも・・・。
でも、でも~・・・。

「亮介君は、亮介君のものです」
「え?」

俺の後ろから声がした。
振り向くと、高橋先輩がいた。
見事なまでに、俺の言おうとしたことを言われてしまった。

「・・・・代わりに言って下さってアリガトウゴザイマス・・・」
「いえいえ」

王子様。
それが、高橋先輩の代名詞だ。
サラッサラの髪。
整った顔立ち。
高い身長。
スラリと長い足。
セクシーボイス(女子談)。
温和な性格。
成績優秀。
運動神経抜群。
そして極めつけは、かの有名な大企業のご子息様。
これ以上の王子様はいないって程の完璧ぶり。

「あ、高橋先輩おはようございまーす」
「おはよう、城崎」

今日も眩しいぜ、王子様スマイル。
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