はなかざり
賢二はそれに「怖ぁい」と笑いながら呟き、教室へ入る。
俺もそれに続いた。
入ると、何人かが「おはよう」と言ってきた。
俺はそれにも笑顔で返す。





俺と絵里は、設定上は二卵生の双子。
実際は、血の繋がりなんてない。

両親が共に再婚なのだ。

そして、俺と絵里はお互いの連れ子。
俺は母さんの、絵里は父さんの。
俺の元々の父さんは、俺が小学4年の時に事故で亡くなった。
絵里の元々の母さんは、絵里が小学3年の時に離婚して出て行ったらしい。
俺と絵里が小学6年の頃に、お互いを紹介された。
同い年ということもあり、周りに怪しまれない様にと、設定上で二卵生の双子となった。
ちょうど中学に進学する時期だったから、俺達のことを知らない土地へと引越し、新しい生活を始めることになったのだ。
だから、この近所で俺達が実は赤の他人だということは誰も知らない。
今まで上手くやってきた結果だ。
家族関係も、上手くいってる。
俺は父さんと仲がいいし、絵里も母さんとは本当の親子の様だ。
俺と絵里だって、すごく仲がいい。
本当の双子にも負けないだろう。
何の問題もなく、ずっとこの生活が続いていくんだと信じてた。
でも、変化は訪れた。
それは、母さんにでも父さんにでも、ましてや絵里でもなく。
・・・変わっているのは俺だった。
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