嘘2
琢磨と離婚する気はこれっぽっちもない。
だからこうやって相手の男が夢中になった段階で引越しを繰り返し、逃げる。
童顔の珠代は年齢より若く見えるみたいで店で男にモテた。
関係を持った段階でイチコロ。
それも琢磨の為だと思えば我慢も出来る。
珠代は真美の前に座り込んで、肩に手を置くと、
「真美、パパと真美がご飯食べていけるのは誰のおかげ?」
「‥‥‥ママ」
小さい声で呟いた真美。
「だったらママの言う事聞けるよね。
さっさと荷物まとめておいで」
優しく笑いかけると、うんと頷いた真美は琢磨の膝の上から
立ち上がり自分の部屋に駆けて行った。