最後の恋なら




尚志side





スポッチャを出た頃にはもう辺りが暗くなっていた




………





あ!!




「茉愛菜さん!帰れるの!?」




そ、そうだった……



車じゃないんだこの人





「んーこっからちょっと遠いけど行けない距離でもないよ?」



そう言われても



俺遠回りじゃないか!




まあいい



「じゃあ送ってきます」



そうするしかないもんな




「道も暗いし安全運転で行きますよ?
あと道も曲がる時は教えてください」



「おっけー!」



また茉愛菜さんを乗せて漕ぐ



そしてまた



俺に抱きついている



「茉愛菜さん?安全運転なんでそんなしがみつかなってもいいんですよ?」



「…え、うん。疲れたからさ」




今日の茉愛菜さんはちょっと変だ



こんなに人に甘える人じゃない






でも甘えてる茉愛菜さんを見てるのは





なんだか嬉しかった





普段はしっかり者のお姉さん的な感じだからな




「すごいよねー尚志
カキンカキン撃って弓もストン!って」


「よく行ってたんで出来ちゃうんですよ」



「スケートはへただったけどねー」


「それはいいんですよ!」


「あー!曲がって!」


「え!」





なぜか嫌な気持ちにならないのは



やっぱいつもの茉愛菜さんと違うからか




そして



どこか懐かしい気持ちになる



前に会った時も




こんな風に二人ではしゃいでたのかな?





< 115 / 187 >

この作品をシェア

pagetop