最後の恋なら
俺と美羽が付き合い始めた頃
まだ美羽はろくに立てもしない
言葉に詰まるというか
言葉が出せない状況
表情だってまだ全然変わらなくて
思えばあの頃が一番の修羅場だったなー
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付き合い始めの頃
俺はまだ学生だった
学校が終わりすぐに病院に向かった
「美羽?」
矢崎と呼んでいたけど付き合ったと同時に名前で呼ぶことにした
美羽は返事もしなければこちらを向くことはない
ただベッドに横になっているだけ
目は開いているけど動いていない
たまに瞬きをしているだけだった
その光景に俺は思わず黙ってしまう
こういう現実が怖かった