最後の恋なら




俺と美羽が付き合い始めた頃




まだ美羽はろくに立てもしない



言葉に詰まるというか
言葉が出せない状況



表情だってまだ全然変わらなくて



思えばあの頃が一番の修羅場だったなー




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



付き合い始めの頃





俺はまだ学生だった



学校が終わりすぐに病院に向かった




「美羽?」



矢崎と呼んでいたけど付き合ったと同時に名前で呼ぶことにした



美羽は返事もしなければこちらを向くことはない



ただベッドに横になっているだけ



目は開いているけど動いていない



たまに瞬きをしているだけだった




その光景に俺は思わず黙ってしまう




こういう現実が怖かった





< 141 / 187 >

この作品をシェア

pagetop