最後の恋なら
そして
「うぅ……うぅー」
まだ一点を見つめたまま
美羽はうなされている
「どうした?」
「おかあさん!おとうさん!」
はっきりと聞こえてしまう美羽の
美羽の目から涙が溢れ出る
しかし無表情のままだった
「どこ……に…るの?」
そんな華奢な声を聞いてると
俺はもう我慢が出来なかった
俺は抱き締めた
「美羽のお父さんとお母さんは…
もういないよ」
言っていいかどうかは定かではなかった
でもやっぱり真実だから
「……い…ない…の?」
また弱々しく声をしぼり出す美羽
その声と美羽の涙に流されて
俺も泣いてしまう
「もういないんだよ」
美羽だって受け止めてるはずだ
美羽のお父さんとお母さんはもういない
「じゃあ……どう…すれば…」
美羽がそう言うと
俺はさらに強く抱きしめた
「俺がいるよ?」
すごく照れ臭かったけど
今は俺に頼ってくれ
俺の全てはお前なんだから
「ひ……さ…し」
俺の名前を呼んでくれる
すると美羽の腕が動いた
美羽も抱きしめてくれてる
「俺がいるから大丈夫だよ
美羽は俺が守るから」
「……好き」
美羽から初めて聞いた言葉だった
「俺も好きだよ
今は辛いかも知れないけど
一緒に頑張ろうな?」
そう言うと美羽は小さい頷く