最後の恋なら







そして夕方になる



「…あれ?尚志起きたの?」



茉愛菜さんが大きなあくびを一つ



「起きてましたよー」


まあこれ以上は無理だからな




「そー?はーよく寝たー」



「うーーーさみーーー」




「そんな寒いなら毛布の中いればよかったじゃん」


「俺いない方が寝やすいと思ったんで」



「なにそれ?」




んまー言い訳だ


「さあ!ご飯を!」



「あ、うん今作るね」



そして台所に行く茉愛菜さん



さあ楽しみにしていた手料理!



トントントントントントン


包丁の音がする


なんだその早い包丁さばきは


ここでもなんでも出来ちゃう事を証明させるような料理のうまさだ



なんでもでーきーるーー

ってあんた雪の魔法でも使うつもりかい?



そんな冗談を言っている間に


サラダが出来たらしい



「なんだこれ、生ハム?
うまそうですね」


「おいしいよベビーリーフも入ってるしね」



赤ちゃんの葉っぱか


相当ベビーなんだろうな



「茉愛菜さんってなんでも出来ちゃうんですね」


俺はついつい台所に行って料理の様子をみる



ほんとに器用な人でうらやましい



「そんな、なんでも出来たら苦労しないよ」


「何にそんな苦労するんですか?」


俺はいたずらに聞いてみるが



「さあね?いいから向こう行ってて」


軽くあしらわれた


ちぇつまんねーの



「茉愛菜さーん本棚に入ってる本読んでいいですかー?」


「いいよー」



よーし何があるかなー?


あれ




これは


「茉愛菜さんアルバムあるじゃないですか!
見てもいいですかー!」


絶対見ちゃいけないやつだろうけど



俺はやはりいたずらをしたいのかわざわざ聞いてみる




「え、
ダメ!!それ見ないで!」



茉愛菜さんが慌てて止めに入る




やはり怒ってるぞーこの人






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