最後の恋なら
結婚……
茉愛菜さんの結婚相手ってほんとに…
「なくさないようにアルバムに挟んでたんだけどこれ
尚志が私にくれたやつ」
それは
汚い字で書かれていた
“けっこんとどけ”だった
何年もの前の話だけど
ドキドキしながら書いたのも渡したのも覚えている
だからこそ
この状況に対して
ドキドキしているのかもしれない
初恋の人と今こうして再会している
美羽と会えたことは運命だと思っていた
茉愛菜さんと会えたことも
運命でいいのかな?
不思議な感覚だった
「尚志…思い出した?」
頭が真っ白になっている俺に茉愛菜さんが声をかける
「……はい」
かろうじて言えた言葉がこれだけ