最後の恋なら





結婚……




茉愛菜さんの結婚相手ってほんとに…





「なくさないようにアルバムに挟んでたんだけどこれ
尚志が私にくれたやつ」





それは




汚い字で書かれていた



“けっこんとどけ”だった




何年もの前の話だけど




ドキドキしながら書いたのも渡したのも覚えている





だからこそ





この状況に対して


ドキドキしているのかもしれない






初恋の人と今こうして再会している





美羽と会えたことは運命だと思っていた




茉愛菜さんと会えたことも



運命でいいのかな?




不思議な感覚だった






「尚志…思い出した?」




頭が真っ白になっている俺に茉愛菜さんが声をかける




「……はい」



かろうじて言えた言葉がこれだけ





< 166 / 187 >

この作品をシェア

pagetop