最後の恋なら
「尚志はもう私と会うことなんてないと思ってたの?
だから美羽ちゃんを好きになって今も幸せで
私はあの頃は尚志のこと好きとかじゃなかったけどさ
またどこかで会えたらまた尚志は私を好きになってくれるんじゃないかって勝手に思ってたよ」
そう言われても
「俺だってどっかで会えたらいいなって思ってたけど
小3の話だし中学上がる頃には茉愛菜さんは高校だし
会えるわけないって思ったんだよ
しかも子供の頃の恋なんてすぐ冷めるもんですよ」
そうだよ
子供の頃の話だ
「じゃあ今の話しようよ」
茉愛菜さんが真剣な目つきになる
俺の目を真っ直ぐ見たまま
逸らすことはない
「尚志…」
小さな声で俺の名前を言う
目をうるっとさせて
「尚志のこと好きだよ」