最後の恋なら
尚志side
「愛してる」
美羽が言った一言だった
俺は遠回しに
“信じてる”と言っているように聞こえた
それは茉愛菜さんのところに行かないでねっていうことだろう
普段でもこうして通じ合っているんだから
俺と美羽なら大丈夫だよ
「もっといっぱい愛してくれ」
俺は笑顔で美羽に言う
すると美羽は俺に抱きつく
そして
「いたたた!!!!」
なんでだーー!?
美羽が俺の首筋を思いっきり噛んできた
「いてー!なんで!なに!やるか!?」
「ふふっ。消え…ないで」
まだ痛い噛み跡を触る美羽
絶対跡つきます!アザになるねこれ!
むかついたから
俺も美羽の腕を噛んでやった
「んんんん!!!!」
痛がる美羽
「仕返しだぞ!ほれー痛いだろー」
そして腕に残った噛み跡を触ると
美羽が腕をピクッとさせる
痛いんだな?かわいいやつめ
「ば…か!」
パン!
「いだー!!」
美羽が両手で俺のほっぺを強く叩いた
「ばかやろー!マジで痛いやつそれ!」
勝ち誇った顔をする美羽
なんだよ…その顔