最後の恋なら
こんな時に限って
お昼もそこまで忙しくならなかった
全然二人で余裕だったんだけど
茉愛菜さんとの会話はなく
ただただ別れを黙って見過ごすかのようだった
そして
「代わりの人きたから
もうあがろっか」
俺の最後のバイトはあっけなく終わってしまった
やるせねー!!
「それとも尚志まだ働きたい?」
茉愛菜さんは笑顔を見せながら聞いてくる
「いや、いいです」
延長はやだった
「そ、じゃあほら上がるよ」
茉愛菜さんの手に引かれて
事務所に入った