最後の恋なら
「尚志……」
茉愛菜さんは俺から離れて
俺の両肩に手を置いた
「最後のお仕事、お疲れ様
美羽ちゃんのこと
ちゃんと幸せにするんだよ」
まだ泣き顔の茉愛菜さんが笑顔を見せて言った
「ありがとうごさいます」
俺も泣きながら
茉愛菜さんの目を見て
その感謝の気持ちを伝えた
思えば茉愛菜さんとの思い出も
この事務所が多かった
制服や仕事の内容など
色々教えてもらったことももちろん
今だって最後の出会いとなっている
絶対に茉愛菜さんのことは忘れません
美羽ちゃんのこと
ちゃんと幸せにするんだよ
と言われたからには
絶対にこの思いは忘れちゃいけない