rainbow
歩のせいじゃない。
誰のせいでもない。
誰も悪くない。
なのに、命は、時間は残酷で…
「歩、退院おめでとう!」
歩は倒れて一週間で、学校に復帰した。
ほんとは、入院してないといけない状態だった。
でも、残されたわずかな時間を、いつものように、過ごさせてあげたいという歩の両親の希望を、医師が受け入れてくれた。
一週間ぶりの、歩との学校生活。
私以外の誰も、歩の余命のことは知らなかった。
「歩、体調平気?」
「ん?もーなんともねーよ!」