rainbow
空からこぼれる大粒が窓を濡らす。
まるで、歩の涙のように…
私は流れて行くその雫を、ただ眺めてた。
「朱奈ー!」
少し遠くで目の前に居る親友を呼ぶ声が聞こえた。
「あ…綾芽…」
声の主の方に目をやると、同じクラスの綾芽ちゃんが、朱奈に向かって手を降っていた。
「行ってきなよ?」
「え、でも…」
「1人でも平気だから。」
「うん…」
明るくて明るい朱奈は、高校に入ってから、友達もできた。
それでも、ずっと私のそばにいて、心配してくれてる。
でも、私は朱奈には、高校生活をちゃんと楽しんでもらいたい。