初恋キャラメリーゼ
ふわふわのキャラメル色が揺れる。
麻姫は、あたしなんかよりずっと強い。
昇降口に消えていった彼女の背中は、震えていた。
きっと、司馬はちゃんと麻姫のこと好きだったよ。
だって、司馬が麻姫といるときの表情、すごく優しかった。
ずっと見てたんだから、それくらいわかる。
「・・・なあ」
「へ?」
後ろから声がして、あたしは振り向いた。
「俺とつきあうってことでいいんだよな?」
そこにはちょっと照れた司馬がいた。
照れることできたんだ、なんて言ったら怒るかな?