5つの扉




教材一式を持ってとりあえず職員室に戻る。……と、廊下でばったり保健室の先生と会った。


「慌ててどうしたんですか?桜庭先生」

七瀬雪 ナナセユキ 25歳

背は160cmはありそうだ。スラッとしていてスタイルが良く 肌が白い。美人で彼女目当てに保健室を訪れる生徒も少なくない。


「慌ててないですよ。あ、お昼ご飯どうしようかなって」

「桜庭先生って面白いですね。よかったら一緒にどうですか?」

ウフフ、と上品な笑みを零していた。


……七瀬先生には分かるのだろうか。年頃の女の子の気持ちが。

先生に憧れてしまう気持ちはあるのだろうと思う。
でも東雲は、このままじゃいけないと思っていた。

前々から薄々好意を感じるような言動や行動があったからだ。



「桜庭先生、本当は何か悩みがあるんじゃないんですか?」

「お見通しなんですね……それじゃあ一緒に」


七瀬先生は フフ、と上品な笑みを浮かべていた

二人で食堂へ行くには少し目立ちすぎるので食堂で軽食を買ってから、保健室にお邪魔することにした。幸い今日は病人がいないらしい。


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