文系女子と理系男子【完】
いまだに私に目線を向ける雛は、私から事情を聞くまで帰ってくれる気はなさそうだ。
くそ〜、こうなったら!
『あはは、お母さんからおつかい頼まれたの!疲れたから少し休憩してただけだよ?』
『ふ〜ん…そんなにオシャレしておつかいねぇ〜』
バ、バレた!一瞬にしてバレたよ!!
なんて、思って固まっている私を不憫に思ったのか…。
『…ほら、雛、柚子ちゃんも困ってるみたいだし、そろそろ行こう!ごめんね、柚子ちゃん』
内村くんが申し訳なさそうに私にそうあやまってくれた。
が、
『え〜?いや、柚子の彼氏見るまでは帰んない!』
と、駄々をこねる雛。