文系女子と理系男子【完】
いきなりで少しよろけてしまう私。
あ、危ない!
と、その時。
グイッ
『へ?』
『何のつもりだよ?相良…?』
『いや?ただ、柚子ちゃんこけそうだったから』
なんと、太一くんが掴んでいる手とは逆のほうの腕を瑤くんが掴んでいたのだ。
確かに、瑤くんのおかげで倒れなくてはすんだものの、一向に居心地の悪い空気が続く。
太一くんは、明らかに瑤くんを睨み付けているが、瑤くんにいたってはそんなのお構い無しとでもいうように涼しい顔を見せている。
『ふ、2人とも…穏便に…ね?』
私の必死の訴えももはや届いてはいないみたいだ。