【短】双子じゃ駄目なの?
ここにいるタクヤは。

あたしよりも大きくて、二年前とは比べ物にならないくらい…


カッコよかった。



「…信じられないよ」

二年でこんなに変わっちゃうなんて…。



反則だよ。


「え、それ酷くね?よく見てよ、ほら」


下を向きながら心の中で嘆いていたあたしに…


フッと影が落ちた。


……何?



気になって顔を上げると…


「…なっ!?」




わずか2、3センチくらいの距離の先にタクヤの顔があった。

まるでキスしてしまいそうなくらいに。




あ、あわわ!

やばい!近い!!

心臓が…呼吸が!



「わ、わかった!わかったから、近いよ!」

「ぅわっ!」

どん、とあたしはタクヤを突き飛ばした。




おさまれ、おさまれ心臓!

ドクンドクンと大きく脈打つ心臓が…

タクヤに聞こえてしまいそうで凄く焦った。


「あれ、どしたの姉さん…顔が赤いけど」

「あ、暑いからに決まってるでしょ!」



そう…これは全て暑いから。

顔が真っ赤なのも…

心臓がこんなに脈打つのも…


こんなに陽射しがあたしたちを照り付けるから。



そもそも、この感情を認めては…






いけないんだよ…。

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