後ろ姿に恋してる
第1章 隣にいる君

はるかside


「貴起きてる?」

コンコン、と控えめにノックして貴亮こと、寺西貴亮が眠るベッドに近づいた。


「おーい、もう昼の一時だよ?」

時計の針がチクタクと鳴り響く室内で貴亮は綺麗な青色の布団にくるまっていた。


「貴、貴ってば…」

揺すってみるけど眉を寄せて布団に顔を埋めてしまう。



「ねぇ、いい加減起きないと怒るよ」


あたしがそう言って布団を引き剥がそうとしたとき、貴の目はゆっくりと開かれた。


「……ん、…おはよ…」

「おはよじゃない、もう昼だよ?」

「じゃあ…こんにちは」

それもそれでおかしい気がするなぁ…


ボサボサになった髪を掻き回して、乱れたスウェットを直す貴はまだ眠たそうだ。


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