後ろ姿に恋してる
「…くすぐったいよ」
首の弱いハルは触られただけでも首をすくめる。
「………たか、どーかした?」
呂律の回らない舌っ足らずのしゃべり方。
それすら愛おしいはずなのに、君の笑顔を見ると彷彿させられる。
「……にも……何も、無いよ」
遥香の肩口に首筋に顔を埋めてやり過ごす。
俺は昔を思い出してしまうんだ。
だから、遥香の愛情で埋めてしまって、
俺を遥香でいっぱいにして?
柔らかなフローラルの香りが、この瞬間が甘美に変わってく。