後ろ姿に恋してる
「うわっ……」
蓋の閉められたらダン箱を開ければ、何とも言えない獣臭が漂った。
「…………………………ね、こ?」
「なぁん」
ダンボールの中にいたのは小さな小さな子猫だった。
スリスリと手にすり寄って来るところを見れば人間慣れはしていると思う。
「つか、何で俺の家なわけ?」
うなだれる俺に猫はズカズカと手のひらに乗った。
「……こんだけ懐かれたら捨てれ無いじゃん」
少し泥で汚れた猫を抱えて、家に入った。