後ろ姿に恋してる
何日かたっても、ハルとは都合が合わず、猫を引き取りに来る人はいなかった。
わしゃわしゃと頭を掻き回してやれば心地いいのか頭を擦り寄せる猫に顔が綻んだ。
「……と、そろそろか。
行ってくるから大人しくな」
「なぁーん」
にゃごにゃごと足に擦りよってくるから、出掛けられ無いじゃないか。なんて思ってしまったり。
「今日は早めに帰ってくるからな?」
「なぅ」
言葉が通じたのかやっと足から離れた猫の頭を撫で、タシタシと尻尾を振るその姿に笑顔が零れた。
「依存しちゃってるなぁ…」
あの猫は思ったより居心地の良い空間を作ってくれてる。
「ハルに見せてやりたい」