後ろ姿に恋してる
「そっか、うん。ありがと」
貴亮はにこやかに笑ってた。
ただ、その笑顔は作られた表情のような気がしてならなかった。
「………わっ……」
「やっぱり、もうちょっと寝かして」
ポスン…とあたしの膝に貴亮の頭が乗って、その柔らかな髪は少しくすぐったくて身体をぬぐってしまう。
「…もー、大人しく膝枕してよ」
貴亮は片目だけ開けて、あたしの膝を整え直す。
「おやすみ」
「ん……」
あどけないその寝顔は、あたしの心を優しく落ち着かせた。