後ろ姿に恋してる
「…んなぁ」
「……可愛い」
早く撫でて欲しいと頭を顔に押しつける子猫を膝に降ろした。
「んなぁ~」
撫でてあげれば心地いいのか尻尾をタシタシと膝に叩きつけながら振った。
「メスじゃないよね…」
子猫の柔らかな毛を撫でつけながら、身体を確認した。
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「ねぇ、貴?」
「何?」
雑誌を捲る手を留めてあたしに顔を向ける貴。
「ユイ、じゃ駄目かな?」
「え……」
明らかな狼狽を見せて、貴はいいんじゃないかな?と呟いた。
嘘ばっかり、嫌なら嫌って言えば良いのに…
そんな事を思いながら、悪態をついて見せても貴は良いと思うの一点張り。