後ろ姿に恋してる
「おいしかった」
「それは何よりです」
笑いながら食器を片すあたしの横で貴亮は食後のコーヒーを楽しんでいる。
「昼寝しよう」
あたしの腰を掴んで貴亮は引き寄せた。
当のあたしは貴亮の服に泡がつきそうになり慌てていた。
「寝たのに、まだ寝るの?」
「ユイだってお休みしたいみたいだよ?」
タシタシと尻尾を振って返事をしたユイは窓際で陽向に当たりウトウトしている。
「………あたしは丸め込まれないよ」
キュッと口を引き結んで貴亮を見上げる。
貴亮はと言うと意地の悪い顔であたしを見下ろしてる。
「……へー?」
間延びした緩い声が背中を滑り落ちてぞわりと肌がざわついた。